ドイツオレンジのボーカルギターやってます、篠塚通称しのです。
千葉LOOKとサイトウさんとは13年間付き合わせてもらってます。
といっても僕はLOOKではクラスの暗い奴的な立ち位置のやつなので、特に面白ネタがある訳じゃないんですけど、
今回、文字制限がないということで何も気にせず全力でコメント書かせてもらっていいっすか。
僕は、生まれて初めて出たライブハウスが千葉LOOKだったのでほとんど全てのことをLOOKで覚えました。
ライブを見ること、打ち上げの仕切り、挨拶の大事さ、高1だった僕はその全部がカルチャーショックでした。
思えば、僕なんかですらいろんなことがありました。
僕が対バンにキレてライブ3曲位でギターぶん投げて帰っちゃった日、サイトウさんは怒らないで「挨拶はして帰って方が良いよ、そしたらライブがちゃんと閉まるから」とメンバーに真剣に話してくれて、その帰り道、サイトウさんから電話があって「サシで呑もうぜ」っていってくれたこと。心配してくれたこと。
実は、サイトウさんは他のバンドには「ちょっと今日だけは仕事で呑めないんだ」って断ってくれてたのを僕は後から知った。
僕らが初めて企画やりたいといった時、「お前ら友達いないんだからワンマンでよくね?」といってもらって、企画もやったことない僕らが訳も解らず初ワンマンをやったこと。
実は、サイトウさんは前から「ドイツイオレンジワンマンやらせっから」と言ってたよって、あとから他の箱の人から僕は聞いた。
打ち上げで先輩とサイトウさんが僕への接し方でもめてくれたとき、LOOKで3人(僕以外の2人?)で話してて、サイトウさんが涙をこぼしながら「オレはドイツオレンジ好きなんだよ」っていってくれたこと。
都内でワンマンやるときにメールくれて「ふざけたライブしたらゆるさない、全力でやってこい、それしかできないんだから」って言ってくれたこと。
そのあとブログで「ドイツオレンジのワンマン行きたかった」って書いてくれてたこと。でも直接は言わないんですねと僕が思ったこと。
打ち上げ途中参加なのにギャグのひとつも言えない僕に「居場所は自分で作るんだよ。誰かが用意してくれんの待ってないでさ、それが出来ないんなら参加しちゃダメなんだ」って教えてくれたこと。
でも、そのあと「お前にパンチつけさせてやる」と言われて新年会でマジックショーをやらせてもらったこと。今でもパンチが自分についたのか僕ですらわからないでいること。
もともとコミックバンド、っていうか音楽をばかにしたような音楽やってた僕に「お前ら楽しそう風だけど本当は楽しくねえだろ。こっちも見ててイライラすんだよ」っていわれて、なんだよって思ってた僕に、「ライブって生きるなのかなんだかわからないけど、そいつらの生き様が見えなきゃ面白くないんじゃん」って教えてくれた言葉は、今でも僕にささってて、僕はそれを今でも忠実に、守りたいって思ってる。
僕はこんな時間を過ごすことや、こんな生き方が好きになって、今でもこうしてバンド組んで音楽やる理由のひとつになってます。

で勘違いしないでほしいんだけど、なんか僕の話ばっかりだけど、あくまでこれは例であって、 こういう時間を、きっとサイトウさんはLOOKに出てる全てのバンドと過ごしてるんだと思うんだ。

そんな20年間って想像できる?
ほぼ365日、毎日全力でバンドと音楽と向き合って、打ち上げして、ケンカして、ふざけ合って、本気でライブ見て。
僕らが知らない苦労だってきっと、、、って苦労なんてサイトウさんもスタッフも思ってないだろうな。
きっと、バンドが、人が、音楽が、ライブが好きなだけなんだろうけど。

そんな人が店長の千葉LOOKが、ちゃんと理解されて、愛されて、20周年を迎えるって、本当に素敵なことだと僕は思います。
ただ20年続くことがすごいんじゃなくて、命懸けで続けた20年だから僕はすごいなって思うんです。

おめでとう、千葉LOOK。
勝手にっすけど、本当の父親の顔すら知らない僕にとって、サイトウさんは親父みたいに思ってる。
だから、すっげー照れくさいけど、僕は千葉LOOKが大好きです。

みなさん、LOOKはまだまだ続くし、ライブハウスだから、まずは20周年イベントを死ぬほど楽しもう。
そんで、25周年、30周年、って楽しみにしながら、みんなですげー長生きしてさ、
こんなに長生きしちゃったのはLOOKのせいだっていっちゃおうぜ。

ドイツオレンジ / しの