千葉LOOK。熱くていかがわしくて愛嬌があって大好きなハコである。



最初に千葉LOOKに来た時には守り神がいた。
客席の真ん中らへん、天井のやや迫り出したところが、その守り神の居場所。
そこにはJAZZトランペッター/マイルス・デイビスの写真がかけられていたのだ。おおおおおお。
あの孤高の天才、マイルス・デイビス。JAZZミュージシャンでありながら、常に時代をROCKしようと闘い続けた男。カッコEぜ。千葉LOOK、なんてCOOLなハコなんだ、と思った記憶がある。


しかし。過去形なところからもなんとなく伺えるかと思うのだが、今は無い。正確にいうと、俺達が最後にライヴをした2009年7月15日まではないままである。
俺達の曲に『時にはマイルスみたいに』というクールネスLIKEマイルスを讃えたナンバーもあり、そいつを千葉ルックの守り神に捧げるため、プレイしたこともあったっけなぁ。しかし、ある時をさかいに姿を消した。



“何かあったのか!?”


俺はその日、思いきってピロシ店長に聞いた。


「あそこに掛けられていたマイルスはどこに行ったのですか」
と。


“それを聞くのか、あなたは!?”と緊張の面持ちで生唾をゴクリと飲み込み意を決して「実は…」と語り出す、ことなどなく



「あーあれ、取れちゃいました〜!」


と、ピロシ店長はまったく悪びれず答えた。しばしの沈黙が流れた。取れちゃってかーらーのー、話を聞きたかった。
しかし、そんな話が続く気配はまるでなかった。「また付けますよ」などと言いそうな雰囲気も皆無だった。そしてまた二人見合ったまま、沈黙。ピロシ店長はピロピロした微笑みのままこちらを見ていた。
おあずけをくらったセントバーナードのようにも見えた。




そう、守り神は取れちゃってたのだった。


てか、別に守り神でもなんでもなかったのかもしや。しかし、あのマイルス・デイビスだぜ。
確かに、ピロシ氏=マイルスの公式は成り立ちにくいと思っていたのだが、その無いガチな部分が俺好きだったのにーのにーのにーのにー俺の感じたクールネスはどこへ?と思ったのも束の間、いやさこの適当成り行き任せな感じがピロシ店長のひいては千葉LOOKの魅力なんじゃあねいの、との考えが頭をよぎる。



そういえば、立川談志師匠も言っているじゃあないか。「人生成り行き」と。


世界の巨人、故ジャイアント馬場さんも言っているじゃあないか。「成り行きというと無責任なイメージを持つけど、これほど強いものはないんだ。つまり、自然の流れに逆らわずに正直に生きる」と。



ピロシ店長は取れちゃったものは取れちゃったまま今日もピロピロピロ〜と微笑んでいるのだろう。店員の皆さんはそれぞれの持ち場で今日も楽しそうにキビキビと働いているのだろう。
そして、今日も千葉LOOKでは本日のロックがロールしているのだろう。



千葉LOOKの成り行き任せ、E塩梅なテンションはロックしてロールし続けるバンドマン達の味方なのだね。いやぁ、さすが20年の歴史。



ライヴをすることしか能のない俺達ですが、これからもひとつ末永くよろしくお願いしたい。


なわけで、20周年ホントにおめでDO!そのお祭りに参加できることが最高に嬉しー!11月16日は千葉LOOKばりの成り行きまかせで、騒ぎまくらせていただきますぜ。わあああああああお。



Funk-a-lismo!



SCOOBIE DO / コヤマシュウ


P.S マイルスの写真まだ残ってたら、俺にください。